【本ユニットは、2022年3月をもちまして研究活動を終了いたしました】
趣旨
日本各地に存在している多種多様な文化について、これまでの国および地方の文化行政では、保存・継承に力点が置かれてきたが、公財政が厳しい状況の中、従来の公財政を中心に保存していく手法では立ちいかなくなりつつあります。一方、フランスをはじめとした諸外国では、文化こそ今後の富を生み出す源泉であるとし、文化の活用・振興に余念がありません。日本においても、自国文化を活用し、文化産業として育成していくという視点から、日本における新しい文化政策を研究していくことが喫緊の課題です。
そこで、衣食住やまちづくり等、文化を広範に捉え、文化芸術セクターの自律的で持続可能な発展につなげるとともに、日本経済全体に好循環をもたらすための実践的な政策提言に向けた研究を行います。
研究内容
本ユニットでは下記5点について取り組みます。
- 「ICMS= Innovation in Culture, Media and Sports」(文化芸術・メディア及びスポーツにおける革新)による産業創出をテーマに、日本が持っている伝統や文化芸術を活用した新しい産業を興すためのシステムや産業モデル案の構築、文化を切り口にした多様な手法による総合的な地域の魅力づくり、また、これらを通じた地域活性化の政策提言
- 日本の伝統文化を維持・継承するだけではなく、若手芸術家などの新たなアプローチを奨励するなどにより、日本の伝統文化の基盤を維持・発展させる政策提言
- 日本から生み出される芸術作品等の国内外への流通の促進・効果的発信によって世界的な価値を高めると同時に、傑作や名作、代表作を日本国の資産として日本の国内に戦略的に蓄積していくための政策提言
- 文化芸術への投資や寄付の増加に向けた政策提言
- 上記を通じた文化による経済効果(文化GDP)の算出